福岡県トライアスロン連合
北九州リバーアスロン2003 大会報告

福島ブッチギリ?の優勝

FTU副会長  野口隆平

 申し込み者100人近くをザーッと見ただけで有力選手が結構いるじゃないか。番号だけでもシードしようということになって、今年のレースナンバーは主催者から依頼されてわたしがつけた。ローカルのアクアスロンだからと、優勝ねらいで申し込んでいた選手は当日の大会パンフレットを見てびっくりしたらしい。昨年3位までに入賞した川口史郎、北野健一、井手善彦の3選手に1から3をつけて、ナンバー4は福島智和、5は福岡の期待の新人武友潤、6は大分の菊地晃一、7は佐賀の柿塚晋也、8は同じく佐賀のベテラン久保直人、9は山口の藤井裕之、10は熊本崇城大学の福田悠平。北九州を中心として半径150〜200q圏内の強豪選手はたいていいる。特に福島選手は6月の天草で3位に入り、九州・沖縄チャンピオンを獲って今期絶好調。

スイム風景

 スタッフが集合するころから雨が降りだし、あいにくの天気となった。それでも後半はあがって選手にとっては最高のコンディションだったと思う。ただ、タイル張りの歩道や石畳を走るのでランの足元は要注意だった。女子トップだった武友麻衣選手が小倉城からおりてくるカーブの坂でスリップ転倒、頭を切って無念のリタイアとなった。

 スイムは福島選手と九産大九州高校の原田尚幸選手が飛びだした。3番手が福島選手がいまスイム練習で引っぱってもらっているというときわスイミングスクールの原田大輔選手で尚幸選手の兄ちゃんだ。この3人は断然速い。14分台であがってきた。ここで後続と1分の差がついた。今回は紫川の流れが結構あって泳力のない選手は苦戦した。泳いでも泳いでも進まない。この時点で3人が脱落した。しかし、トップグループはそんな気配はまったく感じさせず、感じさせたのは下りだ。折り返してからすごい速さで帰ってきたので流れがあるんだと思わせたものだ。

ラン風景

 オープンウォーターで泳ぎなれているのと、もうひとつ有利だったにちがいないのはウェットスーツを着用していることで、福島選手がコースどりよく3秒差ながらトップであがってきた。そのままランに飛びだし快調なペースで4周回のラップをきざむ。本人は流してはいないと言うが、3周目から明らかに落ちた。それでも2位に1分以上の大差をつけてフィニッシュ。いや、するはずだった。成績表を見てもらえばわかるがわずか11秒の差だった。実は、最後になってコースミスしてしまい300m近く余計に走ったのだ。周回を続ける選手とフィニッシュに向かう選手とを分ける所だ。スタッフがいたので誘導ミスもあったらしい。しかし、わかってればこんな所でまちがうはずないという所だ。翌日のスポーツ新聞に福島優勝のニュースが大きく取り上げられて、まあ結果オーライということにしよう。

 ここで、運営関係者やスタッフの皆さんにお願い。昨年、九州・沖縄ブロック内の某大会で誘導ミスがあって取り返しのつかないことになった。ほとぼりもさめて、我々技術・審判関係者のあいだでは失敗事例として研修会のテーマにとりあげるようになった。1位と2位の選手がランスタートしてすぐの分岐で誘導ミスにあい別の道に行ってしまった。ミスがわかって2人がそのまま折り返したので順位が逆転。さあどんな判定を下すか関係者は頭を痛めた。結果はわたしが責任者ならこうはしないというものだった。あってはならないことが起きると、誰もどうしていいのかわからないのだ。原因は分岐点に立ったスタッフのまちがった思い込みだ。だれも困らしてやろうとこんなことをするはずはない。自分が以前に立ったときはこうだったからとその後の変更点の確認がないままだった。思い込みほどこわいものはない。分岐のスタッフは非常に重要だ。最初さえまちがわなければあとは簡単。しかし、最初をまちがえば取り返しがつかないことになる。業務を指示する立場の人もここだけは必ず確認していただきたい。自分が思っているようにスタッフ全員が思っている、そのためにはかなりの努力が必要なのだということをあらためて肝に銘じていきたい。

優勝した福島選手(右)と久保選手(左)

 今年からリバーウォークの南側を走る新コースとなった。都市型のレースとしてこれ以上のロケーションはない。優勝した福島選手のコメントは、スイムの流れあり、ランのアップダウンあり、多数の応援ありでとても楽しかったというもの。そのとおり。そして協賛各社の記念品がたくさんあってとても得した気分にもなる。来年は皆さんもぜひどうぞ。

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