福岡県トライアスロン連合
第11回日本選手権 10月23日

田中敬子健闘! 7位

副会長  野口隆平

 やっとここまできた・・。
 高校卒業と同時に沖縄のチームゴーヤーの千葉智雄コーチの門をたたいて3年目。この3年間が速いのか遅いのか。それは彼女を応援するそれぞれの思いにゆだねるとして、日本選手権でバイクの先頭集団にはいって、短い時間とはいえ先頭を引いた。それを眺めながらのわたしの印象だった。両親も感慨ひとしおだったに違いない。

 10月23日、快晴。8時10分という都心においては早朝スタートになる女子は、例年どおり大方が関係者だけの少ない観客ではあるが時間の経過とともに増えてはくる。

 スイムをトップから1分遅れの10位であがった田中敬子は関根、庭田、中西、忽那、高木らの10人でトップ集団を形成。ちぎれることなく、そのままランへ。ランの現在の実力どおりに間隔があいて、最後は第2集団にいたライバル上田藍にさされて7位でフィニッシュ。ジャパンランキング3位という順位も手にいれた。次のステージへの飛躍を期待したい。
 関根明子は庭田に続いての第2位。今回は負けたが9月の世界選手権ではラン最終周のリタイア前までは庭田に先行していた。順位は替わってもこの2人が他を引き離して日本のトップである構図は変わらない。3位忽那、4位中西、5位高木と続き、ここまでが第2グループ。田中敬子はその次のレベルだ。
 伊藤弥生は天草に続く2度目のクラスオープンの大会で20位と健闘。バイクがまだまだで終始集団の最後尾で追っていた。バイクの力をつけて来年の活躍が楽しみだ。
 長谷川奈央子はかなりの差で今年もバイクに出れなかった。来年も出場するなら一段の奮起を期待したい。

 10時30分スタートの男子は見応えがあってとてもおもしろかった。女子と同じ展開になった。バイクの先頭集団は女子は10人だったが、男子はいまの日本のトップ5である山本淳一、良介、田山、平野、細田の5人だ。さすがに速い。第2集団とは差が開く一方。九州・沖縄ブロック代表、ウイングスTCの飯干守道はバイクには出られたけど4周目でパスされ残念ながらアウト。そして先頭集団はラン勝負。平野司が田山を替わして初の日本チャンピオン。2分20秒のアドバンテージは大きくこの5人がそのまま5位までを占めた。第2集団にいた西内もランラップをとった杉本も追いつけなかった。高濱も2分20秒遅れの第2集団で、結局ランでも追い上げられずじまいで10位。飯干と同じブロック代表柿塚はランにはいれて40位と大健闘。40位で大健闘? そう、なにしろ25人がバイクで周回遅れにされてランにはいれなかったのだから。

 男子は82名のエントリーと大応援団で今年も盛り上がった。しかし、これは甲子園。ひと昔前の日本野球界の構図だ。日本のプロ野球選手の誰もがアメリカ大リーグで通用しなかったときと同じだ。日本選手権が高校野球の甲子園。郷土の代表で盛り上がりはする。そのころのプロ野球がいまのトライアスロンでプロといわれる人たち。日本選手権組でもプロとして通用するのはひと握り。そして、世界選手権が米大リーグだ。特に今年の蒲郡は勝負どころか同じ土俵にあがれもしなかった。なんとか恰好がついたのは関根、庭田が健闘した女子エリートだけだったのだ。

 ともあれ日本選手権は楽しい。いつも身近にいる選手たちが国内の順位付けの大会に出場しているわけだから楽しくないわけがない。応援にも力がはいる。来年も福岡県の選手が出場できるようにサポートと応援をお願いしたい。

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